大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所大法廷 昭和35年(あ)1721号 決定 1961年7月19日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人中西清一の上告趣意第一点について。

論旨は、原判決の維持した第一審判決は、刑法一八〇条二項を適用して、告訴がないにもかかわらず、同法一七七条前段、六〇条により被告人を処罰しているが、刑法一八〇条二項は憲法一三条、一四条一項に違反するから、これが適用を是認した原判決は違憲である、と主張する。しかしかかる論旨は、原審で主張も判断もなかった訴訟手続に関する主張であるから、適法な上告理由とならない。

同第二点について。

論旨は量刑不当の主張であって、適法な上告理由とならない。

なお記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よって、同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 横田喜三郎 裁判官 島 保 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村又介 裁判官 入江俊郎 裁判官 池田克 裁判官 垂水克己 裁判官 河村大助 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 奥野健一 裁判官 高橋潔 裁判官 高木常七 裁判官 石坂修一 裁判官 山田作之助)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例